前回の記事では、Webアプリを簡単に公開できる「Vercel」について解説しました。
GitHubと連携するだけで自動的にサイトが公開される体験は、とても感動的だったのではないでしょうか。
実は、Googleが提供するFirebaseにも、同じようにWebアプリを公開できる新しい機能が登場しています。
それが、今回のテーマである「Firebase App Hosting(アップホスティング)」です。
「Vercelで十分じゃないの?」
「Google純正だと何がいいの?」
そんな疑問を持つあなたのために、今回はVercelとの違いを比較しながら、App Hostingの特徴と使い方を初心者向けにやさしく解説します。
1. Firebase App Hostingとは?
一言で言うと、「Google版のVercel」です。
Next.jsやAngularといった最新のフレームワークで作られたWebアプリケーションを、GitHubと連携して自動的にビルドし、Googleの強力なサーバー上に公開してくれるサービスです。
これまでもFirebaseには「Hosting」という機能がありましたが、これは主に静的なファイル(HTMLや画像など)を公開するためのものでした。
新しい「App Hosting」は、サーバー側で動くプログラム(動的な処理)もまるごと引き受けてくれる、より進化版のサービスと言えます。
2. メリット・デメリットを知ろう
Vercelという強力なライバルがいる中で、あえてApp Hostingを選ぶ理由は何でしょうか?
初心者目線でのメリットとデメリットを整理します。
🟢 メリット(ここが良い!)
- Googleサービスとの連携が最強:
認証(Auth)やデータベース(Firestore)など、他のFirebase機能と同じ管理画面で操作できるので、管理がとても楽になります。 - Google Cloudのパワーを使える:
裏側はGoogle Cloudの強力なインフラで動いているため、将来的にアプリが大規模になっても安心して任せられます。
🔴 デメリット(ここは注意!)
- Vercelほど手軽ではないかも:
Vercelは設定ほぼゼロで動くことが多いですが、App Hostingはまだ新しいサービスということもあり、多少の設定が必要な場合があります。 - ビルド時間に注意:
アプリを公開するための準備時間(ビルド時間)が長くなると、無料枠を超えて課金される可能性があります。(Vercelにも制限はあります)
3. 徹底比較! Vercel vs App Hosting
「結局、どっちを使えばいいの?」という疑問に答えるため、比較表を作りました。
| 比較項目 | Vercel | Firebase App Hosting |
|---|---|---|
| 手軽さ | ◎ 超簡単 (ほぼ設定不要) | ◯ 簡単 (少し設定が必要な場合も) |
| Next.jsとの相性 | ◎ 最高 (開発元が同じ) | ◯ 良い (公式サポートあり) |
| 他機能との連携 | ◯ 外部サービスと連携 | ◎ Firebase機能と統合 (Auth, DBなど) |
| 料金(個人開発) | 無料枠が使いやすい | 基本的に無料だがビルド時間に注意 |
| おすすめのタイプ | とにかく早く、簡単に公開したい人 | Firebaseの他の機能もガッツリ使う予定の人 |
結論:
初心者がまずWebアプリを公開するなら、手軽な「Vercel」がおすすめです。
もし、すでにFirebaseの認証やデータベースを使っていて、「管理をGoogleに統一したい!」という強い思いがあるなら、「App Hosting」に挑戦してみる価値は十分にあります。
4. 【実践】App Hostingでデプロイしてみよう
では、実際にApp Hostingを使ってWebアプリを公開する手順を見ていきましょう。
※GitHubにNext.jsのプロジェクトがあり、Firebaseプロジェクトが作成済みである前提で進めます。
Step 1: App Hostingを開始する
- Firebaseコンソールの左メニューから「App Hosting」をクリックします。(見つからない場合は「構築」セクションの中を探してください)
- 「始める」ボタンをクリックします。
Step 2: GitHubと連携する
Vercelと同じように、GitHubのリポジトリ(倉庫)と連携します。
- 「GitHubに接続」ボタンをクリックし、GitHubアカウントとの連携を許可します。
- 公開したいリポジトリを選択する画面が表示されます。
- 対象のリポジトリ(例:
my-first-app)を探して「選択」ボタンをクリックします。
Step 3: デプロイ設定を行う
次に、デプロイの設定画面に移ります。
基本的にはデフォルトのままで大丈夫ですが、環境変数(APIキーなど)が必要な場合はここで設定します。
- 「デプロイ設定」のセクションで、フレームワークが正しく(例: Next.js)認識されているか確認します。
- もし `.env.local` に書いているような環境変数が必要な場合は、「環境変数を追加」をクリックして設定します。
(Vercelの設定方法と同じく、KeyとValueを入力します) - 設定が完了したら、「デプロイ」ボタンをクリックします。
Step 4: 公開を確認する
デプロイが始まると、進行状況が表示されます。しばらく待ちましょう(数分かかることがあります)。
完了すると、公開されたURLが表示されます。クリックして、無事にアプリが表示されれば成功です!
まとめ:触ってみて使いやすい方を使おう
今回は、Google純正の公開ツール「Firebase App Hosting」を紹介しました。
Vercelの手軽さは魅力的ですが、Firebaseの他の機能と深く連携できるApp Hostingも、個人開発者にとって強力な選択肢の一つです。
大切なのは、「どちらが正解」ということはないということです。
両方とも個人開発レベルであれば無料で十分に試せます。ぜひ一度両方触ってみて、直感的に「使いやすい!」と感じた方を相棒に選んでみてくださいね。